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 [ニューヨーク 23日 ロイター] バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は26日、ワイオミング州ジャクソンホールの経済シンポジウムで講演する。議長は昨年の講演では、状況が悪化すれば行動すると示唆。その2カ月後、FRBはQE2(量的緩和第2弾)に踏み切った。

 以下、予想される講演内容と、市場関係者の見方をまとめた。 

 <選択肢を温存> 

 ワイオミング州には開拓時代のイメージが強いが、バーナンキ議長が銃を連射しながら乗り込むといったことは、少なくとも今はないだう。

 米国内総生産(GDP)伸び率は、第2・四半期は年率換算で前期比1.3%増、第1・四半期は0.4%増と低迷が続いているが、FRBは、過去の刺激策の影響を評価すべく現状維持を続ける可能性がある。

 FRBの他の当局者も、目先にQE3が発表されるという期待感を冷やそうとしている。ブラード米セントルイス地区連銀総裁は、日経とのインタビューで、景気が悪化すれば、一段の債券買い入れを行う可能性はあるが、今はそうした措置をとる時期ではない、との認識を示した。 

 バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの外為調査部長、サイモン・デリック氏は「講演を前に、投資家は政策の大幅変更を見込んだポジションをとっている。ただわれわれは、QE3(量的緩和第3弾)の実施には、金融市場が一段と悪化しなければならないとみている」と述べた。

 それでもトレーダーは、バーナンキ議長が講演で、必要であれば手段を実行に移す可能性あると、何らかの形で示唆する、と予想している。

 ゴールドマン・サックスのストラテジストらは、顧客向けのリサーチノートで「バーナンキ議長が資産買い入れに言及しなければ、投資家は非常に意外に思うだろう」と指摘している。償還資金を10年物と30年物の国債に再投資し、長期金利の低下を狙う可能性がある、という。

 RCMの欧州担当最高投資責任者(CIO)のニール・ドウェイン氏は「米国は成長が必要であるため、いずれはQE3が実施されるだろうが、金曜日(26日)に発表されるとは限らない」との見方を示した。 

 市場は現在、QE3への期待を反映している。S&P総合500種指数は依然、7月末の水準から約15%下落しているが、23日には大幅に上昇した。ドルも、主要通貨に対して上値が重い展開となっている。

 バーナンキ議長が将来の措置について強いシグナルを出した場合、株価は一段と上昇する可能性がある。昨年8月の講演後、S&P総合500は上昇を開始し、2011年5月までに25%近く上昇した。 

 <QE3を発表> 

 (QE3という)引き金を今引けば、サプライズ効果があり、市場が大きく動く可能性がある。10年物の米国債の利回りが2%を割り込んだことは、相場がQE3を織り込んだ証拠、との声も聞かれる。ただし、FRBがQE3を実施する上で、妨げとなる要因が主に3つある。

 第1に、FRBは今月既に、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を今後少なくとも2年間はゼロ付近に維持する方針を示している。

 またGLCのディレクター、スティーブン・ベル氏は、インフレ率の上昇で、FRBが慎重になる可能性を指摘する。同氏は「コアインフレ率は、低水準かもしれないが、それでも上昇はしている」としている。

 さらに政治的な反発も強い。米大統領選の指名争いで共和党の有力候補とされるテキサス州のペリー知事は、バーナンキ議長が「今から来年の選挙までの間に紙幣を増刷すれば『背信行為』とみなす」と述べた。 

 こうした反発は、FRBのこれまでの政策が、雇用増や住宅市場の回復を実現するという上で、ほとんど効果がなかったことが背景にある。

 RCMのドウェイン氏は「6000億ドル(の債券買い入れ)でも、米経済は変わらなかった。米経済は現在、バーナンキ議長がQE2を示唆した昨年8月と同様、リセッションに陥りかけている」としている。

 QE3を実施しても、成長率押し上げに失敗したり、インフレ率が上昇したりすれば、市場は、何もしないほうがよかったと考えるだろう。 

 <沈黙を守る> 

 議長がQE3を発表せず、行動への意思も示唆しないというのは、考えにくい。講演がこうした退屈な内容ならタカ派の発言力が増していると判断できる。8月の連邦公開市場委員会(FOMC)では、異例の低金利を2013年半ばまで維持すると表明することに3人が反対した。

 D.A.デビッドソンの市場ストラテジスト、フレッド・ディクソン氏は、QE3を実施しないでも、政策はすでに非常に緩和的だ、と指摘する。FRBは金利をゼロ付近に維持するほか、 保有証券の元本償還資金を再投資する方針も示しており、「事実上のQE3だ」と述べた。

 講演で追加緩和への言及がなければ、株価は下落するだろうが、ドルは短期には上昇する、と予想される。国債価格は軟化するとみられる。

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